家族の言葉を、
聞き残す。
家紋の名前を知っている人も、名前は分からなくても品の使い方を覚えている人もいます。写真や実物を見ながら、答えられることから一つずつ聞いてみましょう。

最初は、一つの品と一人の記憶から。
いきなり家の由来を尋ねるよりも、「この紋付を見たことがある?」「この箱はどこに置いていた?」と、目の前の品から話を始めます。長い話が難しいときは、一つ聞けただけでも記録になります。
録音や撮影をする場合は、話す方に、何のために残すか、誰と共有したいかを伝えます。録音しなくても、話が終わってからメモを一緒に見直せます。話したくないことや、思い出せないことを無理に聞く必要はありません。
名前の先にある、暮らしの話。
この紋を、何と呼んでいましたか。
図鑑の掲載名と違っても、まず家で使っていた言葉をそのまま残します。後から資料の名前を横に添えられます。
この品を使っていたのは、誰ですか。
名前だけでなく、家族の中での呼び方も聞きます。持ち主と、実際に使った人が分かる場合は、それぞれに記します。
どんなときに、取り出していましたか。
結婚式、祝い事、法事、普段の暮らしなど、覚えている場面を聞きます。行事の名前や当日の写真があれば一緒に見ます。
いつごろ、どこで見ましたか。
年が分からなければ「以前の家に住んでいたころ」でも構いません。後から年代を調べるための手がかりになります。
その話は、誰から聞いたものですか。
自分で見たこと、親や祖父母から聞いたこと、本や資料で読んだことを区別します。分かる範囲で、話のつながりを残します。
次の人に、何を伝えたいですか。
品そのものを残したいのか、写真があればよいのか。引き継ぐ人に知ってほしい場面や、扱い方の希望を聞いてみます。
記憶が違ったら、両方を書いておく。
家族によって名前や年代の記憶が違うこともあります。どちらかにすぐ決めず、誰が何と話したかを、確認した日と一緒に残します。「年代は未確認」「写真の人物は家族に確認予定」という書き方もできます。
図鑑で有名な家の紋と似ていても、それだけでわが家の家系を決めることはできません。家族の言葉は大切な手がかりとして残し、資料で確かめられたことを後から添えていきます。調査資料を探す入口には、横浜市立図書館の家系調査案内などもあります。[1]
記録の中で、三つを分ける。
- 品を見て分かること
- 七つの円がある、箱に名前が書かれている、写真に紋付が写っている、といった観察。
- 家族から聞いたこと
- 誰の品と聞いたか、どんな呼び方をしたか。話した方と聞いた日を添えます。
- 資料で読んだこと
- 図鑑や地域資料の掲載名、説明、書名・頁・URL。わが家について確認できた範囲も書きます。
話を残したら、開ける場所へ渡す。
メモや写真を誰が持つかを決め、共有してよい相手も確認します。録音は音声だけを送るのではなく、話した方・聞いた日・何についての話かの短いメモを添えると、受け取った人が内容を探しやすくなります。
デジタルの記録は、機器や保存媒体が変わった後も読めるかが課題になります。国立国会図書館の電子情報保存の説明を参考に、複製を持ち、後から開けるか確かめる習慣を付けることをおすすめします。[2]
この読みものの六つの質問と記録の分け方は、ATAWI家紋が作成した実用上の提案です。ご家族が話しやすい順番に変えてお使いください。
残したい品と、住まいのこれからを整理する記憶を、家族の一枚に。
読みながら浮かんだ品や話を、家紋の図と一緒に記録用紙へ。書けるところから始められます。
家紋を選んで記録用紙へ記録用紙の入力は画面内で扱い、送信・自動保存はしません。閉じる前に印刷してください。印刷画面でPDF保存を選べる環境では、PDFで手元に残せます。
参照資料
資料確認日 2026年11月4日。歴史資料で確認できる実例と、この資料室からの記録方法の提案を分けて紹介しています。
- 横浜市立図書館「自分の家系を調べる」 ↗家系・家紋調査の参考資料案内
- 国立国会図書館「よくあるご質問:電子情報の保存」 ↗デジタル画像の長期保存に関する説明